中南米で爆発的な人気が出ている電動キックボード(e-Scooterとも呼ばれる)とその背景にあるMaasビジネスと今後のポテンシャルを取り上げます。
本記事の内容
・ブラジルのe-scooter -Grinの乗車方法-
・Grinのシェアリングビジネスへの展開
・Maasとは
・米国での規制状況
・電動キックボードビジネスの日本での展開
電動キックボードシェアリングとは
ロック機能を搭載したキックボードをスマホアプリで有効化後、開錠し自由に利用することができる。返却場所を気にせずに、街中の好きな場所で乗り捨てできることも特徴です。
出典: https://www.techtudo.com.br/dicas-e-tutoriais/
ブラジルではGrin, Yellowの2社が、サンパウロ市、リオディジャネイロ市、サンタカタリーナ市、ヒオグランドスル市、クリチバ市に展開しています。
都心部で自由にどこでも乗り捨てができます。サンパウロ市では1000台以上のキックボードが使用可能です。
駅からオフィスまでの中距離の移動や休日の買い物など、隙間時間を便利に移動する目的や、休日の娯楽に人気が出てすごいスピードで普及しています。颯爽と駆け抜ける爽快感が大変心地よいです。
https://www.metrojornal.com.br/foco/2018/12/10/patinete-eletrico-veiculos-compartilhados-sao-paulo.html
ブラジルのe-scooter -Grinの乗車方法-
1. スマホでRappi という名のアプリをダウンロードする。クレジットカード情報をアプリ内で登録しよう。
2.Rappiの中にあるGrin Patinenteを開く、マップが出るのでスマホのGPS機能を有効化し現在使用できるキックボードを特定する。
出典:https://www.techtudo.com.br/
2. マップに表示されるスタートボタンを押す。キックボードのスマホコードを読み取り開錠(Disbloquear)する。時間の計測し料金が加算される。
出典:https://www.techtudo.com.br/
3. ハンドルについている右のアクセル、左のブレーキでスピードを調節する
出典:https://www.meusroteirosdeviagem.com/2019/03/patinetes-grin-florianopolis.html
4. 好きなところで停め、料金を携帯のアプリで支払う
5. 次の人のために停車場の写真を撮りマップに登録する
出典:https://massanews.com/noticias/economia/novo-servico-de-patinetes-compartilhados-chega-a-curitiba-mOboz.html
料金
注意点
スピードが約30km/時間と想像以上に出ます。人混みや道路での走行は細心の注意が必要です。子供の使用など安全のためにヘルメットが必要だと思いました。
電動なので充電が必要で充電するビジネスを展開したい人はアプリで登録する仕組みになっています。あまりに人気で充電されず放置されているキックボードも見かけますね。
走行距離は一回の充電で35KM程度だそうです。
ブラジルの電動キックボード -Yellow, Grinとは-
ブラジル発のモビリティー系スタートアップ企業として注目を集めている「Grow Mobility」。
これまで「Yellow」という社名で自転車及び電動スクーターの、ドックレス型シェアサービスを展開してきた同社は、メキシコの電動スクーター企業「Grin」と合併を果たし、ラテンアメリカを飛び出しグローバル展開を開始する。
Grow Mobilityは合計で13万5000台の車両をラテンアメリカの6カ国で展開し、過去6カ月の乗車回数は270万件に達している。
同社のブラジル本社取締役のMarcelo Loureiroによると、Growは今年中に米国と欧州でサービスを開始するという。 (Forbs Japan 2019年2月)
YellowとGrinの2社は2018年の設立で、極めて速いスピードでビジネスを展開して拡大してきた。日本企業で働く身としては信じられないスピード感です。
アプリを使った電子決済を導入することで、電動キックボードに留まらず金融機関や関連する産業への進出を狙っています。
既存のシェアリングサービスとの連携
Rappiと呼ばれるコロンビアのスタートアップの出前宅配業者とGrin社が提携。キックボードを使って食事を宅配するサービスを開始した。アプリもRappi経由ですね。
出典:https://noticias.uol.com.br
日本でもUber Eatsが流行始めましたが、ブラジルでは自動車やバイクに加えて、キックボードで小回りの利くサービスが実験的に開始されました。
Rappiに限らず、i-food, uber eats, globeなどで宅配のバイトをする若者が増えています。主に20代から30代の男性が中心で、ガソリンを使わないため大変エコだと言われています。
また、車やバイクがくなくても都心部で空いた時間にキックボードを借り、出前を届けることで小遣い稼ぎができるので隙間時間の活用に大変便利です。
中には、一日に1万2000円以上稼いでいる人もいるそうです。オーストラリアでは学生の高時給のバイトとして人気が出ているようですね。
i-food
街中のレストランから好きなメニューをスマホ片手で注文できます。ブラジル国内の使用に限られますが、治安や仕事が遅かった時なども大変便利です。
シェアリングエコノミー
シェアリングエコノミ―を多角的に分析した本。Uber, Airbnbの仕組みがわかるかつ、なぜそのようなサービスが可能になったのか詳説されている。今後どのような産業に影響を与えていくかというポイントも大変ためになります。
Maas (mobility as a service)とは
皆さん、Maasという言葉を聞いたことがあるでしょうか。Mobility as a Serviceの頭文字4つを撮った造語で、乗り物での移動の概念が180度変わるモビリティ革命と言われています。
Maasの申し子の配車サービスのUberは、値段・便利さ・手軽さを武器に世界に爆発的に広がり、2019年内にNTTを超える額で上場すると噂されていますね。
車を所有する時代からMassへシフトが始まっています。
MaaS: mobility as a service=自動車などの移動手段を、所有することなく、必要なときだけ料金を払ってサービスとして利用すること (Sankei Biz)
トヨタやソフトバンクも社運をかけてMaas投資しToyoya Connectedを設立しました。
日本国内の市場でも、レクサスのレンタルサービスがニュースにもなりました。レクサスは、月額18万円庶民には手が出ませんね。プリウスは4万6000円からだそうです。
出典:https://global.toyota/jp/newsroom/t-road/26525552.html
2018年後半から、自動車や都心部の自転車シェアに留まらず、キックボードのシェアリングサービスが中南米諸国では今爆発的に広がっています。
モビリティ革命 -日経BP社-
Maasの仕組みや、既存の産業に与える影響や将来像などかみ砕いて説明しています。この本一冊で全体像がしっかりつかめるので一押しです。
米国での規制強化と批判
米国では先行して規制が進んでいる。安全性や機体放置による苦情が集まっているからです。しかし自治体も一方的に規制するというよりは、認可制を試運転したりとイノベーションとの共存の道をさぐっています。
出典:https://www.wweek.com
使用後のキックボードが歩道に放置され、通行の邪魔になっている。水路に文字どおり「乗り捨て」されたケースも、少なくとも2件あった。歩道で乗ったり、ヘルメットを着用せずに乗ったりする人も後を絶たない(どちらも各都市の条例で禁止されている)。
電動キックボードの大ブームは、伝統的なルールを無視して自分勝手に振る舞うテクノロジー業界を象徴する現象とみなされるようになった。
サンフランシスコ市議会は4月、電動キックボードのシェアサービス会社に市の認可取得を義務づける条例を可決。テキサス州オースティン市の交通局は、電動キックボード規制案を市議会に提出し、緊急採決を求めた。首都ワシントンでは、すでに認可制度が試験運用されている。(Bloomberg May 2018, https://newspicks.com/news/2996920/body/)
ブラジルでは夜は回収しようと努めています。
日本の電動キックボード -株式会社Luup-
日本でも東大のOBが起業したLuupという会社が、一部の市町村でビジネス展開を始めようとしているようですね。
出典: https://www.businessinsider.jp/post-189366
https://luup.sc/
「静岡県浜松市・奈良県奈良市・三重県四日市市・東京都多摩市・埼玉県横瀬町と連携協定の基本合意書を締結することに至った。住民の移動効率の向上・駅から遠い不動産や店舗の価値向上・観光客の利便性向上を目指します。」株式会社Luupプレスリリース2019年4月18日より
安全性と街中の停車マナーなどが守れたら日本でも爆発的に広がる可能性を秘めています。
Luupの岡井社長出典:https://luup.sc/
キックボードのシェアリング体験してみると運転する楽しみに加えて、時間短縮にもつながりました。
宅配サービスや若者の空き時間をつかった宅配便の副業、さらには電子決済を通じたフィンテックにもまたがるビジネスにも通じています。今後の展開が楽しみですので、追って中南米でのビジネス展開をアップデートしていきます。
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コメント
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